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施策1.街の知的サロン:文化施設のtoB戦略 ⑦

【内容】

1.ファンコミュニティとの連携価値

2.文化施設の「街の知的サロン」化



1.ファンコミュニティとの連携価値

企業がスポンサードする狙いは、ファンとの連携価値にあります。

一般広告が一方的に発信されるのに対して、スポンサード広告は、コンテンツやチームを「自分ごと化」しているファンと共に、支援する立場で発信されるため、「共感」というアドバンテージを持っています。

先述した東京ディズニーリゾートは3000万人で470億円、キッザニアは80万人で18億円、PayPayドームは300万人で140億円のスポンサー収入が推定されます。

それぞれ1人当たりの広告単価は「460円」、「670円」、「1400円」の試算になり、一般的な屋外広告想定単価「15円」の30倍〜90倍に相当します。(1日50万人=年間1.8億人が行き交う、渋谷スクランブル交差点の年間広告価値は21億円)

もちろん単純な比較は無理があるかもしれませんが、一般の通行人への広告露出とファンへの広告露出の訴求価値の違いを考える参考数値になるのではないでしょうか。

さらに SNS時代になり、クチコミ効果が重視されるようになると、ファンとの連携価値はさらに重要な要素になります。

口コミは「共感情報の発信率30%」&「購入影響力40%」と言われ、どんどん伝播・波及することによる好感度向上は、スポンサード企業の価値向上に非常に有効だという事です。

今後、顧客の購買行動などに関する分析手段が、一層進化すれば、このファンの心理構造と効果測定が、より詳細に解明・数値化されていくのではないでしょうか。


2.文化施設の「街の知的サロン」化

これを文化系集客施設に活用するには、個別に集客を図る様々な「企画展」だけでなく、「定番となる展覧会(コンテンツ)」で、施設独自のファンを醸成して行く視点が必要です。

展覧会や演奏会の展示・発表会場だけでなく、「街の知的サロン」としての自覚と活動で、ファン(知縁コミュニティ)を醸成して行くのです。

具体的には下記の3つの活動を統合することになります。

①自主発信活動:独自のコレクションを展開するだけでなく、現代社会の課題・関心事である「環境」や「教育」などを絡めたコンセプトを設定し、YouTubeなどを含めて編集・発信します。

②知のサードプレイス活動:コンセプトに関心を持つ人(特に退職したシニア層)やサークルに、共同研究などの名目で、役割と発信機会を提供することで、居場所(サードプレイス)化します。

③企業との共創活動:コンセプトに沿って、企業のCSV活動を企画推進していきます。

※「関心や共感」が重視される成熟社会では、企業との共創活動を通じたスポンサードは、単なる社会貢献ではなく、企業ブランディングやセールスマーケティング、人材獲得などの面で、非常に有効な手段になると考えます。


この活動を定常化することで、知縁コミュニティとして施設のファン(toC)を増やし、これを支える企業(toB)の輪を広げて行くのです。

文化施設のスポンサードには、BtoCtoBの事業構造を機能させる必要があります。

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